それでも僕は
振り返る彼女の頬を、一筋の雫がこぼれた。


どんなに雨が流れ落ちてもはっきりと見えた。


彼女は美しくそして悲しそうに笑った。


「ありがとう…でももう遅いわ。」


確かに今更傘をさしてもどうしようもないくらい濡れていた。


僕は傘をたたんだ。

冷たい雨が僕を包んだ。


こうすることで、少しは彼女を理解出来る気がした。
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