遠目の子鬼
「うん、そうなんだ。英二、随分落ち込んでるんだ。僕となっちゃんが付き合ってるって勘違いしてるみたいだし」


又兵衛は両腕を組んで目を閉じ、暫く考え込んでから


「なに、気にする事は無いだろ」


そう、きっぱりと答えた。


「気にする必要無い?どうして、英二、随分落ち込んでるし、悩んでも居るみたいだよ…」



「だからって、今、あいつに何か言った処で、それで何か変わるか?」


「――う、うん」


「そういう時は、思い切って何もしないで見守る事だ」
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