遠目の子鬼
僕とお姉ちゃんの視線が交錯する。そして暫くの沈黙…


「あんた…大丈夫?」


お姉ちゃんが僕のおでこに手を当てる。


「大丈夫だよ、もう、良いよ」


そう言ってソファーから立ち上がろうとした僕の事を、お姉ちゃんは力づくで座らせると、好奇心丸出しの表情で僕に訪ねてきた。


「何、あんた、好きな子が出来たの」


僕はそっぽを向いて口を尖らせながら黙り込んだ。
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