遠目の子鬼
「あんたが言い出したんでしょ、ちゃんと話しなさい」


お姉ちゃんが、僕の頭を「グー」でぐりぐりとこづきまわす。結構痛い。


「わ、分かったよ、止めてよお姉ちゃん」


「よし、話してみなさい」


「うん、あのね…」


僕は昨日の経緯をお姉ちゃんに話した。


勿論又兵衛の事は話せないので、なっちゃんと二人きりで教室に居た理由に関しては、適当にぼかして話した。


「――成程、英二君は誤解してる訳だ」


「どうしたら良いと思う?」


「そおねぇ…」


お姉ちゃんは楽しそうに悩んで居る。
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