遠目の子鬼
僕は口をとんがらせて又兵衛に話した。
「ちゃんと上手に成ってるんだから良いじゃ無い。先生だって褒めてくれるし」
又兵衛は僕の話を聞いて人差し指を立て左右に揺らしながら答えた。
「だから、保孝、そこが問題なんだ。技術が上がって上手くなった様に感じたら、更にそこから一歩抜け出さなきゃならない。そこから一歩前に出るには、かなりの努力をしないと抜け出せないんだ。さっきから、夏子の練習を見てて、俺は確信した。夏子はそれが出来てる。保孝はまだだ」
僕は又兵衛の話を聞いて、ちょっと気分が落ち込んだ。
僕は要するに未だ半人前だって事だよね。
確かになっちゃんは先生からの信頼も厚くて彼女が原因で曲を止められる事は先ず無い。
正確に、しかも感情のこもったリズムを刻む事が出来る。
自分が大事な存在だって言う事を認識しているからだろう。
「ちゃんと上手に成ってるんだから良いじゃ無い。先生だって褒めてくれるし」
又兵衛は僕の話を聞いて人差し指を立て左右に揺らしながら答えた。
「だから、保孝、そこが問題なんだ。技術が上がって上手くなった様に感じたら、更にそこから一歩抜け出さなきゃならない。そこから一歩前に出るには、かなりの努力をしないと抜け出せないんだ。さっきから、夏子の練習を見てて、俺は確信した。夏子はそれが出来てる。保孝はまだだ」
僕は又兵衛の話を聞いて、ちょっと気分が落ち込んだ。
僕は要するに未だ半人前だって事だよね。
確かになっちゃんは先生からの信頼も厚くて彼女が原因で曲を止められる事は先ず無い。
正確に、しかも感情のこもったリズムを刻む事が出来る。
自分が大事な存在だって言う事を認識しているからだろう。