遠目の子鬼
「まぁ、もう少し上達すれば、自然に分かる事かも知れないな。


又兵衛はそう言いながら、僕の事を再び見詰めた。


「今のレベルじゃ分からない事なの?」


「ん、そうだな。今のレベルじゃぁ分からないかも知れないな」


「じゃ、じゃぁ、どうすれば良いの?」


僕が又兵衛に、そう尋ねると、又兵衛は両腕を組んで瞳を閉じて暫く考え込む。そして


「精一杯練習する事が一番の近道だな」


そう答えた。
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