遠目の子鬼
「良い天気ね」


僕は不意に話しかけられて反射的にその方向に視線を移す。


そこには野球場の方を見詰め自分の後ろ出手を組み凛と立つ、なっちゃんの姿が有った。


「え…う、うん…そう…だね」


なっちゃんに突然話しかけられて僕の心臓が突然大きく脈打った。


どうして良いのか分からなかった。


きっと、又兵衛との練習で僕にも親近感を持ってくれているのだろう。


とても嬉しい事だけど、ちょっと照れ臭い。


二人だけの場所では無いからだ。


僕達の事を、ちらりちらり横目で見る男子生徒が何人か居た。
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