遠目の子鬼
でも、何故かお姉ちゃんの事を見ている事が出来なくて咄嗟に視線を外して、ソファーの上で丸く蹲った。


その態度を見て、お姉ちゃんがゆっくりと顔をあげて僕をじっと見つめた。


なんだか視線が痛い。


「嘘、おっしゃい…」


僕は横目でお姉ちゃんをちらっと見た。


お姉ちゃんの視線はあくまで冷たい。


なんだか僕が何か悪い事をしたと、本気で思ってしまう様な視線だった。


「…う、嘘じゃぁないよ」


「ホント?」


「う、うん、多分」


「多分てあんたねぇ、女の子にとって、これはとても重要な事なの」


「う、うん…」
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