遠目の子鬼
僕はどうだろう?確かに出来ない処を集中的におさらいしているって事は自信を持って言えるけど、なっちゃんみたいに練習にのめり込む事が出来て居るだろうか。


凄いんだ…


そう、なっちゃんは凄いんだ。


僕はどうだろう?出来ない処は仕方が無いって思ってる処は無いだろうか?


僕はなっちゃんを見習うべきだと思った。同時に力が漲って来るのを感じた。


「おい、保孝…」


又兵衛が僕に話しかけて来る。


僕は又兵衛が何を言いたいのか分かる様な気がして彼に視線を移した。


又兵衛もなっちゃんを見詰めて、その視線は、釘付けされた様に動かなかった。


「いいか、良く見ておけよ。集中するってのはこう言う事を言うんだ」


又兵衛の言葉に、僕は無言で頷いた。


今日の練習は、とても意義の有る時間だったと僕は思った。
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