遠目の子鬼
もっと、のびのび出来た筈じゃ無いのか?それとも練習が足りなかったのだろうか…


全校の演奏が終了して、僕達は顧問の先生を中心に会場のロビーに集合していた。


「え~皆、ご苦労様でした。結果が発表になりましたが、残念ながら我々は賞に入る事が出来ませんでした」


集まった皆がそれぞれ顔を見合わせて、少し落胆した感じに包まれた。


「審査員の講評ですが…」


先生が審査結果を読み上げた。


同じ曲を同じ様に聞いていた筈の審査員の評価だけど、人それぞれで全く統一性が無かった。


表現したい事が良く分かるという人が居れば、何を言いたいのか分からなかったと言う人も居る。
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