遠目の子鬼
これが嫉妬心という物なのだろうか?複雑な気持ちのまま、時間は流れて行く。


僕達の残り時間もあと少しと言う事だ。大事な時間だ有効に使わなければと思う。


「保孝、居るか?」


教室の扉を開いて英二が中に顔を出す。


同時に爽やかな草原は消え去って、又兵衛も姿を消す。


前から思ってたんだけど、英二が顔を出すと又兵衛達は消えるけど、なっちゃんが顔を出した時は何故消えなかったんだろう?


素朴な疑問、今度又兵衛に聞いてみよう。ちゃんと説明してくれるだろうか?


「あ、うん、何?」


僕は英二に向かって振り向き、何事も無かった様に返事を返した。


僕もお芝居が上手くなったな。


こんな事ばっかり上手くなっても仕方ないんだけどなぁ。


「金管だけで集まろうって話になったんだ、良いか?」
< 192 / 274 >

この作品をシェア

pagetop