遠目の子鬼
「ああ、それから保孝…」


英二に問い掛けに「なに?」と答える。


「旋律部分、もう少し頑張っても良いと思うから」


――え?


足りない?そうなの、僕は全開で演奏してると思ってたのに足りないんだ。


英二の指示で僕達はその場を解散した。同時に僕は又兵衛の処に直行した。

         ★

演奏会が一週間後に迫った。

練習には知らず知らずのうちに力が入る。


力が入り過ぎて失敗するなんて言う事が多くなって全体練習が此処に到ってちょっと、ぎくしゃくし始めてしまった。
< 197 / 274 >

この作品をシェア

pagetop