遠目の子鬼
英二はぽりぽりと頭を掻く。


「そうか、保孝がそれで良いって言うなら、俺がとやかく言う事は無いな。明日もの練習も、宜しく頼むよ」


英二はそう言って僕をじっと見つめ、にっこりとほほ笑んだ。僕もそれを見て微笑みを返す。


「でも、この事は、一応、僕達だけの秘密って事で」


「ああ、分かったよ、約束する。この事は誰にも言わないよ」


「うん、ありがとう」


僕達はそう言うと再び家に向かってゆっくりと歩き出した。

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