遠目の子鬼
そうだ、英二の言う通りなのだ。


秋だ。


僕達が現役で居られる期間も、もうあとわずか。


信じられない位、あっという間の三年間に思える。


でも、今はその感傷に浸っている場合ではない。


僕達には「定期演奏会の成功」という未だ達成しなければならない目標が有る。


感傷に浸るのはそれからだ。


もっとも、それが終わっても、今度は受験だなんだで忙しくなるのは目に見えて居るのだが…


僕達三人は、他愛の無い話をしながら、それぞれの家路に散って行った。
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