遠目の子鬼
僕はそう言って英二の追及をかわした。


どうも、僕の態度がおかしい事で逆に英二が心配している様だった。

         ★

「まぁ、あんまり考えすぎない事だな。気にし過ぎると逆に相手に気を遣わせてしまうぞ」


又兵衛は優しい瞳で僕を見ながらそう答えた。


「…でも、そう言われてもなぁ」


僕は又兵衛の答えが少し不満だった。


だって、ひょっとして友達が困ってるかも知れないんだ。


だったら何かするべく動かなければならないんじゃあないかと思う。


それを、又兵衛は、気にするなって言ってるんだ。


「気持ちは分かる。でもなぁ保孝、何かしたいって言うんなら、何をどうしたいんだ?」
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