遠目の子鬼
僕はちょっと口ごもる。


「…それは…それが良く分からないから又兵衛に相談してるんじゃないか」


僕はちょっと怒った様名口調で又兵衛に答えた。それを聞いた又兵衛は


「ほう、また少し進歩したみたいだな。以前の保孝なら、少し難しいと思う事は、避けて通ってたのに、今は逆に立ち向かおうとしてる。その気持ちは大事だぞ」


そう言って、腕組みすると、うんうんと頷いた。


「だから、それが大事だって分かってるんだったら、なんとかしてあげたいとおもうじゃない?」


又兵衛はまっすぐな視線を僕に向ける。


「よし、分かった。じゃぁ、俺からの意見だ、良く聞け」


又兵衛は、何時に無く真剣な表情…


「え、う、うん…」


僕は身構えて、又兵衛の言葉を待った。
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