遠目の子鬼
ちょっと目頭が熱くなったのを感じた。


「うんそうだね…そうだよ、きっと、きっと素敵な事に成るんだろうね」


「だから、彼等の事は当事者達に任せよう。それが一番自然だ」


僕は又兵衛の言葉に大きく頷いた。


羨ましいな。


英二…うまく行くと良いねと心の底から思った。


自分の事じゃ無いのに、そう思えるのは又兵衛とこうして付き合って来たからだろうか。


自分にも少しだけ自信が持てる様に成った。そしてこれから訪れるであろう試練にも胸を張ってぶつかって行けそうな気がした。


「がんばれよ、保孝…」


「うん、頑張るよ」
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