遠目の子鬼
仲間達もそれを味わっているのか、誰も楽曲のおさらいをしようとするものは居ない。
もう、俎板の鯉だ。
なるようにしかならない。
今迄してきた練習の積み重ねを信じるしかない。
僕は楽屋を出てステージ横の入り口から外に出ると、ホールの正面玄関に向かった。
正面玄関入り口には、ちょっと何を表したいのか理解しにくい銅像が設置されている。
それにゆったりともたれかかって、澄み渡った秋空を、なんとなく見上げた。
「綺麗…」
思わず、そう言葉が漏れた。
夏の気配はいつの間にか姿を消して、清々しい青空が秋の訪れを知らせてくれた。気温も優しい。突き刺さる様な日の光はすっかり影を潜めて柔らかな光が周りを包みこんでいた。
もう、俎板の鯉だ。
なるようにしかならない。
今迄してきた練習の積み重ねを信じるしかない。
僕は楽屋を出てステージ横の入り口から外に出ると、ホールの正面玄関に向かった。
正面玄関入り口には、ちょっと何を表したいのか理解しにくい銅像が設置されている。
それにゆったりともたれかかって、澄み渡った秋空を、なんとなく見上げた。
「綺麗…」
思わず、そう言葉が漏れた。
夏の気配はいつの間にか姿を消して、清々しい青空が秋の訪れを知らせてくれた。気温も優しい。突き刺さる様な日の光はすっかり影を潜めて柔らかな光が周りを包みこんでいた。