遠目の子鬼
この瞬間の為に、又兵衛とも英二ともなっちゃんとも一生懸命練習してきたのだ。


自信を持って良い筈だ。


いや、持たなければならない。


そうでなければ、この場を乗り切る事は出来ない筈だ。


僕は今迄の練習が与えてくれる自信を持って演奏に臨んだ。


大丈夫だ。


全て順調、思った以上の出来に成っていると思う。


こう言う時は、練習の時より本番の方が上手く行くものだ。


先生の指揮棒から発せられる意思が手に取る様に分かる。
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