遠目の子鬼
そして、それに答えられる。


僕の頭の中に、ふと、又兵衛の顔が浮かんだ。


どんぐりの様にくりっとした特徴的な顔、それが、僕に向かって頑張れと声援してくれている。


僕は、その期待に何とか答えられそうな気がした。


そして、ちょっと余裕も出てきた。


しかし、一曲目の終わりが近付くにつれて、僕は再び不安になる。


二曲目だ。


僕のソロパートが有る曲。


ホルスト作曲、組曲惑星から「木星(ジュピター)」


一曲目が上手く出来た余裕で、少し落着いてはいたが、その事が頭をよぎると、突然、不安と恐怖に襲われる。
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