遠目の子鬼
そう、答えては見たが本当にそれが正解かどうかは知る事が出来ない。

唯一、又兵衛との接点だった学校の教室はもう存在しない。


彼が無事なのかどうか、更に異世界自体が存在したのかどうかを確かめる術は既に無い。


「まぁ、悪い方に考えるのはよそう。又兵衛は何時までも心の中に居る。ちょっと陳腐かもしれないけど、それで良いんじゃぁ無いか?」


英二の言葉に僕は胸が締め付けられた。陳腐では無いよ実に的確な表現だと思った。


「そうだな、それで良いんだな…」


思い出の中に彼は居る。


思い出とは確かな現実。
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