遠目の子鬼
輝いて居るかも知れないし錆ているかも知れない。


でも、それを否定する事は無い。


それは確かに自分の足跡が刻まれたあかしなのだから。

         ★

大草原に小さな影が揺らめく。


朝日に感謝して夕日に明日の無事を祈る。


又兵衛の何気ない日常だった。


風は相変わらず清々しく平原を駆けて行く。


水も清らかに流れる。


そして又兵衛は今日も羊達を追い続ける。


何時の日か訪れる新しい出会いを待ちながら。


-----遠目の小鬼 End
< 273 / 274 >

この作品をシェア

pagetop