遠目の子鬼
僕は、その英二が何故か可愛く思えて、同じく教室を掃除して居る英二の姿を見て声を掛けてみたくなったが、そこはぐっと堪える事にした。
★
ブラスバンドの全体練習が終わって僕は個人練習の為に、何時もの様に一人で音楽室近くの教室に入った。
「よう、今日も来たな」
又兵衛が、相変わらず偉そうに両腕を組み仁王立ちで、僕を迎えた。
「うん、来たよ。又練習お願いね」
「ああ、そうか、じゃぁ始めよう。準備出来たら何時でも良いぞ」
「うん」
僕は椅子をひとつ引っ張り出してそれに座り、譜面台を前に置くと、楽器を構えて、静かに息を吹き込んだ。
昨日と同じだ。
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ブラスバンドの全体練習が終わって僕は個人練習の為に、何時もの様に一人で音楽室近くの教室に入った。
「よう、今日も来たな」
又兵衛が、相変わらず偉そうに両腕を組み仁王立ちで、僕を迎えた。
「うん、来たよ。又練習お願いね」
「ああ、そうか、じゃぁ始めよう。準備出来たら何時でも良いぞ」
「うん」
僕は椅子をひとつ引っ張り出してそれに座り、譜面台を前に置くと、楽器を構えて、静かに息を吹き込んだ。
昨日と同じだ。