遠目の子鬼
黒板には全体練習は中止、今日は一日個人練習と書かれて有った。


僕は何時もの通り楽器倉庫に向かいユーフォニュームのケースを取り出すと練習に向かおうと倉庫から音楽室に向かって出て行こうとした時だった。


女の子達が集まって、何かひそひそ話をしている様だ。


僕は、何となく彼女達の声に聴き耳を立てた。


「ねぇ、それで、夏子はどんな人が好きなの?今、好きな人は居るの?」


なっちゃんを含めて5人位の子が輪に成って、ひそひそと、でも楽しそうに話をしていた。
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