遠目の子鬼
学校帰りの道すがら彼と部活の事で盛り上がった。


そして、自分が伸び悩んで居る事を素直に打ち明けて力に成ってもらおうと思った。


ユーフォニューム――楽器の種類としては非常にマイナーな存在だ。


名前だけ言っても、その形を思い浮かべられる人物はそう多く無いと思う。


トランペットでもトロンボーンでもホルンでも無い。


縦長の管で出来て居て真上にラッパが向いている不思議な形の楽器。


楽器の教則本には伸びの有る中低音域が魅力の楽器と書かれているが誰かが出した音をじっくり聞いた事が無いので本当のところ良く分からない。


小学生の器楽部時代から現在のブラスバンド部に至る迄、僕には先輩が居ない。だから、この楽器に関して全て独学。


自分の力だけで、何とかして来たのだ。


僕の家系の粘りだろうか。
< 4 / 274 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop