遠目の子鬼
「でも、強いて挙げれば誰なの」


なっちゃんは自分の頬に人差し指を当てながら、ちょっと考える。


「そうねぇ――中野君――かな。凄く優しそうじゃ無い」


心臓が止まったかと思った。


僕――?


なっちゃんは僕の事が好き?


僕は自分で自分を指差したまま、その場にぽかんと立ち尽くした。


その間に、女の子達は、個人練習の為に、別の教室に出て行った。
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