遠目の子鬼
         ★

僕は又兵衛に教室まで送って貰い無事に自分の世界に帰る事が出来た。


「ひい・ふう・みい」は僕が帰る時、ちょっと寂しそうだった。


僕は又兵衛に又、彼の世界に連れて行ってもらえる様に頼むと快く招待してくれる事を約束した。


又兵衛の世界。


そして僕の世界。


なんだか世界観が変わりそうな出来事だった。


この世界は僕達だけの世界じゃぁ無いんだ。


それが分かって、少し視野が広がった様な気がした。


「保孝、あがるそ…」


英二がトランペットのケースを抱えて教室に入って来た。


「うん、帰ろう」
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