遠目の子鬼
「ううん、何でも無いよ、大丈夫だよ」
僕はお父さんににっこりと微笑む。するとお父さんは、安心したらしくて、小さく息をつくと
「何か、困った事が有ったら、直ぐに言うんだぞ。一人じゃぁ何も出来ないかも知れないけど、お父さんも、お母さんも、姉さんだって居るんだ、これだけ揃ってれば、出来ない事なんてないさ。だから、一人の胸にしまっておくなんて事は、しちゃ駄目だぞ」
お父さんの言う事が何だか胸に染みた。僕は、お父さんの子供だ。だから、何でも出来る。僕はそんな気がして、とても嬉しくなった。
★
文化祭が近い(とは言っても三か月くらいの時間は有るのだけれど)。文化祭ではブラスバンド部の演奏会もメニューの中に入って居る。
「じゃぁ、楽譜配るから取りに来なさい」
顧問の先生に呼ばれて、各楽器のパートリーダーが、先生から演奏会用の楽譜を受け取りに次々立ち上がる。
僕はお父さんににっこりと微笑む。するとお父さんは、安心したらしくて、小さく息をつくと
「何か、困った事が有ったら、直ぐに言うんだぞ。一人じゃぁ何も出来ないかも知れないけど、お父さんも、お母さんも、姉さんだって居るんだ、これだけ揃ってれば、出来ない事なんてないさ。だから、一人の胸にしまっておくなんて事は、しちゃ駄目だぞ」
お父さんの言う事が何だか胸に染みた。僕は、お父さんの子供だ。だから、何でも出来る。僕はそんな気がして、とても嬉しくなった。
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文化祭が近い(とは言っても三か月くらいの時間は有るのだけれど)。文化祭ではブラスバンド部の演奏会もメニューの中に入って居る。
「じゃぁ、楽譜配るから取りに来なさい」
顧問の先生に呼ばれて、各楽器のパートリーダーが、先生から演奏会用の楽譜を受け取りに次々立ち上がる。