遠目の子鬼
「あ…う、うん」


生返事に近い状態…


「だからな、保孝。なっちゃんは、おまえの事が好きなんだよ」


僕は以前、なっちゃんの言葉を偶然聞いてしまった事が有るのを思い出した。


なっちゃんが好きなのは、僕では無くて『僕みたいな人』なのだ。


これは好きと言われるのとは雲泥の差が有る。


僕の事は、あくまで良い人と言う認識しか無く『好き』とは違う。


英語で言えば[Love]と「Like」の差と思えば良いんだ。


「英二、その、信頼できる筋ってのは、あんまり信じない方が良いんじゃぁ無いかな…」


「なんだよ。俺の情報網を疑うって言うのか。まぁ良い。言いたい事は、そこに有るわけじゃ無いからな」


「?」
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