遠目の子鬼
僕は再び英二の言葉の真意が理解出来なかった。


「つまりな、仮になっちゃんが保孝の事を好きだって言ったとしても、お前はなっちゃんの事は、それ程好きじゃ無いんだろ?」


「――え、う、うん、いや、そうじゃぁ」


僕が中途半端な態度を見せると英二は僕の肩にのしかかって僕の耳元で、ぼそぼそと呟いた。


「まあ、良いから。聞け。」


「う、うん…」


「お前の気持は分かった。なっちゃんの恋は叶わぬ恋!方思いと言う事に成るだろう。だから俺にもチャンスは有る訳だ。俺はなっちゃんが好きだ。誰に聞かれても、自信を持って言える」
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