白黒先生-二重人格彼氏-
もしかして、本気で謝ってるの?
嘘でしょ!?
あの性悪で腹黒な先生が!?
「…おいお前、全部聞こえてるぞ」
「あれ…あたし、声に出してたのか」
「………いちいちうぜぇ奴だな」
そう言った先生の顔は虫を見るような目で、あたしは先生を殴りたくなる気持ちを必死に抑えた。
「まぁ俺だって、ホンキで謝るときぐらいあるからな。…しょうもない事で呼び出して、悪かったと思ってる…」
そこで一瞬先生の声は途切れた。
「…とでも言うと思ったか」
耳元で擦れた声がして、甘い香りが、鼻をかすめた。
同時に、口の中に甘ったるい味が広がる。
「…ふっ!? な、なっ…」
状況を理解するのに数秒。
「甘いだろ、イチゴ味」
「…なんであたしこの飴なめてんですか」
「んー、そりゃアレだろ。俺が食べさせたから。…口移しで☆」