白黒先生-二重人格彼氏-


「おーおー…顔がユデダコ…しかも『やめてくらさい』だってよ…クク」


バタンと乱暴にドアが閉められた後は、時計の音が規則的に響いているだけだった。


─────────────────


「っあぁ~もう信じられない!」


あたしはどす黒いオーラを放ちながら、ずんずんと教室への道を後戻り。


♪キーンコーンカーンコーン♪

とたんにチャイムが鳴った。


しまった…あんなしょうもない場所でモタモタしてる間に、授業が終わっちゃった。


通算、三度目のキス。


しかも全てあの変態大魔王との…キス。


「うっ…うあ゛ぁあああぁあっ」


考えただけで、口から勝手にうめき声がでてくる。


「あれ、沙耶」


ふいに声を掛けられる。

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