白黒先生-二重人格彼氏-


「はぁ、はぁっ…ちょ、瑛っ…いきなり何っ」



あたしは息切れしながら瑛を睨む。

瑛はあれだけ走ったのに涼しい顔をしている。

くそ…悔しいぞ。



「だってよ…あれしか言い訳無かっただろ」


ちょっと俯いた瑛。

顔が赤い気がした…けど、気のせいかな。



「まぁ、そうだけど…あーあ、照り焼きバーガーまだ食べてたのにな」


「お前、ほんと食い意地はってんな」


ニカッと笑いながら言う瑛。

少し意地悪っぽい笑顔。


「何よっ! うるさいな」


あたしも負けずに言い返した。

やっぱムカツク☆


…と、他愛のない言い合いをしている時だった。


背後から大っっっっっ嫌いでしょうがない人の声がしたのは。


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