白黒先生-二重人格彼氏-
「それより二人とも、今はデート中ですか? …僕はお邪魔だったでしょうか」
「「ぶっ!?」」
あたしと瑛は同時に吹きだす。
やっぱりこういうこと言いやがったか、コイツ。
否定しなきゃ…!
「あっ…あのなぁ大和、俺ぁこんな色気のカケラもねぇ奴なんかと付き合う趣味なんかねぇんだよっ!」
とても焦っている様子で瑛が言った。
全身全霊で否定している。
…そんなにあたしが嫌いかコノヤロー。
「おや、そうでしたか」
「いやいや納得しないでよ! 色気無くて悪かったですねーえ!」
くそ…くそっ。
いいもん、色気無くてもっ!
「…それよりあたしだって、こんな奴となんか付き合いたくないし」
「こんな奴と『なんか』って何だよ!」
「だってあんた…口悪いし! …好きな子にもフラれちゃえっ!」
ささやかな仕返しを試みて、あたしは大声で言う。
通行人がチラチラこっちを見てくる。
しまった…、ちょっとやりすぎ??
瑛、意外と傷ついちゃったかも…。