白黒先生-二重人格彼氏-


「アイツのことだから、どうせ好きな奴には素直になれねぇでツンツンあたってんだろうけどよ」


「そうですかねぇ? 瑛って、女子には優しいと思いますけど。…まぁ、あたしは幼なじみだからいろいろ腹立つこと言われるけど」



「……お前、だけに?」



なんでそんなこと聞くんだろう。

おかしく思って、先生の方を向く。



「はぁ、まぁそうですけど」



確かに、あたしはよく瑛にからかわれる。

でもそれって、好きとか特別とかじゃ絶対ナイ!


ただ幼なじみで小さい頃から遊んでたから、そうなってるだけで。



「瑛の好きな奴って…もしかして…お前?」


「はぁッ!?」



突拍子のないことを言うときも、先生の鋭い視線は変わらない。

ま、真顔で冗談言われても…。



「…いや、無い……よな」


「そうですよ! 瑛はあたしなんか鬱陶しい幼なじみとしか思ってませんよ」



苦笑いしながら手をブンブン振ってみせた。

まるでオバサンみたいだ。


< 125 / 162 >

この作品をシェア

pagetop