白黒先生-二重人格彼氏-


「そういう鈍感なトコ直した方がいいぞ。お前は意外とモテるんだからな。隙ばっかり見せんな」


なぜか怒っているような表情の先生。

顔立ちが整っているせいか、冷たくも見える。



「ど、鈍感って…何が分かってないって言うんですかっ」


「はぁ…ったく」



鈍感って何よ。

あたし、ニブイの!?

人並みに勘はいいほうだと思うんだけど…。



「そういうトコだよ! …実際にアイツの気持ちにも気づいてねぇだろ」


先生があたしの方に一歩近づいて、怒鳴るように言った。

それからどんどん声は小さくなっていって、最後は濁ったような感じだった。



「え、アイツの気持ちが何ですかっ?」



最後のあたりがよく聞き取れなくて、あたしは手を挙げて聞き返す。

先生は一度ため息をつくと、あたしの制服の襟を掴んだ。


ちっ…近っ!!


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