白黒先生-二重人格彼氏-
「お前、驚きすぎ! マジ面白いわ」
「なっ…び、びっくりしたっ…」
振り向くとそこでケラケラ笑っていた、瑛。
右手にスポーツドリンクの缶を持っていたことから、あたしの頬にさっき当たった冷たいモノはこれだったんだな、と推理する。
「ホラよ、飲めば?」
無意識に缶をじーっと見ていると、瑛がスポーツドリンクの缶をあたしに差し出した。
「くれんの!? やった! 今ちょうど飲みたいと思ってたとこなんだよね」
あたしは瑛から缶を受け取ると、早速タブを開けてごくごく飲んだ。
乾いていた喉に、スポーツドリンクがすうっと馴染んでいく。
「ふうん…ま、それなら良かったじゃん」
「うん! もしかして瑛って、あたしの心読めたりして?」
「無茶言うな、アホ」
瑛はそう言って顔をしかめると、あたしの頭を一回ポンと手で叩いた。