白黒先生-二重人格彼氏-


「瑛、今日登校早くない?」


「委員会だよ。たしか唯もだろ?」


「そうそう。だから今日は一人で登校ー」



一気に飲み干したドリンクの缶を、ベンチにコンッと置く。



「一緒に学校行ってやってもいいけど…まだ早いよな」


「うー…いいよちょっとぐらい。たまには早く行くのもいいと思うし…よっし、一緒行くか瑛っ」



ベンチから勢いよく立ち上がると、空っぽの缶をゴミ箱へ放り込む。


数歩歩いたところで、瑛が来てないことに気が付いた。



「あっつぅ…と、瑛? 何やってんの?」


「ちょい待ち」



あたしが振り向いて呼ぶと、瑛はケータイを何やらカチカチしながらこっちへ走ってきた。



「どしたの? メール?」


「ん…まぁそんなトコだな」


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