白黒先生-二重人格彼氏-


生まれて初めてみる瑛の顔に、一瞬息ができなくなりそうだった。



「幼なじみ…だけ、ど」



瑛の眉間に皺が寄る。


なんで? おかしいよ、瑛。

なんでそんな辛そうな顔するの?



「…俺は、それ以上には……」


「瑛っ?」



これ以上、こうしていると、瑛がどんどん違う人になってくみたいで…。


ちょっと怖かった。



「どうしたのよ、瑛…おかしいよ? 悩みあるなら…─」


「んあーすまん!! 俺ちょっと寝不足でおかしくなってたわ! 悪ぃな、なんでもねぇよ」


「え…瑛…」



ケータイをパタンと閉じたのがスイッチになったみたい。


同時に、瑛は元通りに戻った。


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