白黒先生-二重人格彼氏-
「…こんなの、どうってことないっ!」
あたしは傷から目を逸らす。
「骨折なんかより、何倍もマシだもん」
自分に言い聞かせるように呟く。
「アホか…お前も一応女なんだからな」
…へ??
背後で聞きなれた声。
確かめなくたって、すぐに分かってしまう。
「ほら、俺持ってるし…バンソーコー」
瑛はあたしの前にしゃがむと、慣れた手つきでバンソーコーを剥がす。
あたしの膝に、ピンク色のバンソーコーが貼られた。
「えらく女の子な色だね」
「うるせぇ…昔っから親に持たされてんだよ」
「知ってるよ…何年一緒に居ると思ってんの」
小さいころからずっとケガしてた瑛…。
あの頃は可愛かったなぁ、今と違って。(笑)