白黒先生-二重人格彼氏-


「…ね、瑛」

「……ん? 何だよ」


瑛は珍しく大人しく聞いている。



「あたしは、瑛とこのままで居たいんだ…。一生ってわけにはいかないだろうけど……今までみたいに、笑ったり、遊んだり…したいんだ」



人は年をとって成長していくから、一生ってわけにはいかない。


進路とか将来とか…。


瑛が居る日常が当たり前だったから、あんまり会えない日々が来るなんて、考えられなかったけど。


瑛の気持ちは嬉しいけれど、その気持ちに答えてしまったら…。


元通りにはなれないと思うんだ。



「だから…ごめん」


「ひでぇぞ!!」


瑛はいきなり大声を出して行った。

え…な、何。


「まだちゃんと告白もしてねーのに…」


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