白黒先生-二重人格彼氏-


瑛は一瞬だけ下を向くと、すぐに顔を上げて言った。



「俺…あっ…あきらめねぇからな!! またいつかちゃんと告白すっから!」



あたしはきょとんとして瑛を見ている。


顔を赤くしながら、一目も気にせずこんなセリフを吐く瑛なんて…。


想像もつかなかった。


…けど、格好いいよ。



「…うん、待っといてやる!」


「そん時はちゃんと聞いてくれな…」


「…うん!」



あたしは笑顔で頷き、もう一度スカートと膝をパンパンと払って立ち上がる。


瑛の顔はまだ赤い。


つられて、あたしまで顔が真っ赤になりそう。



「…~んじゃ、帰るぞ!」


「お腹空いたー…瑛おごってよ」


「はァ? 何で俺が」


「冗談だよっ」


あたしはニヤッと笑う。

瑛は眉間に皺を寄せて、「むっかつく」と言った。


あたしは瑛と、いつもみたいにゲラゲラ笑いながら家へ帰った。

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