白黒先生-二重人格彼氏-


「な、何ですか…?」


あたしは恐る恐る先生の言葉を待った。

先生は少しの間を空けて言った。



「瑛には、ちゃんと言えたのか」



あたしは少しほほ笑んだ。



「はい…全部言えましたよ」


「……そうか」



先生はそう言うと、上を見上げた。

夜風が、あたしの髪と頬を撫でていく。

先生のサラサラの髪も揺れた。


今、ここに流れてる風は、ひとつなんだ。


あたしの髪を揺らしてる風も、先生の髪を揺らしてる風も同じものなんだ。


…そう考えると、変な気分になった。



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