白黒先生-二重人格彼氏-
驚きの入学式
次の日の夜。
「んでんで、その屋上にいた人が…めちゃくちゃ格好良かったんだって!」
『どうせ「王子様」とか言うんでしょ? 沙耶ってホント…王子系好きだよね』
電話の向こうで呆れたように言う、あたしの親友の唯(ユイ)。
同い年で、美人で頭もよくて、男子からモテモテ。
ちょっと憧れ。
昨日の出来事をさっそく、唯に報告しようと電話をかけた。
「ぐっ…なんで分かったの!? めちゃくちゃタイプな顔だった…ほんと王子様みたい」
あたしはうっとり、夢見心地な気分で言う。
ベッドの隣に置いてあったクッションを、ぎゅうっと抱きしめる。
『…で、その王子様がどうしたの?』
サバサバした性格の持ち主の唯は、あたしのうっとりモードにも慣れっこだ。