白黒先生-二重人格彼氏-
『ふぅん…てことは、明日会えるんじゃないの?』
「え? …あ、そっか!」
そうか、明日はいよいよ入学式。
あの人があたしが通う高校の生徒なら、絶対いるはず。
…でも、会ってどうするの?
あたしは…会いたいの?
会いたいの!?
まだ鮮明に覚えているあの感触、熱、吐息。
綺麗な髪、優しい笑顔。
あの名前も知らない『王子様』を思い出すと、胸が苦しくなって、顔が熱くなっていく。
やっぱり変だよね…!?
ねぇ、あのキスは、何だったのかな?
聞いても返事なんて返ってこない事を分かっていながらも、持って帰ってきた黒いストーンが付いたピアスをきゅっと握りしめる。