白黒先生-二重人格彼氏-
『まぁ、相手は覚えてないかもしれないし?』
「えぇっ!? ひど…い」
『プッ…冗談よ、冗談』
受話器の向こうで唯が意地悪っぽく笑う。
もう…冗談になってないから。
まぁ、そういうサバサバしたところも唯のいいとこなんだけどね。
『じゃあ明日の朝、沙耶ん家迎えに行くからね』
唯とは幼なじみで家も近い。
高校も一緒だから…幼稚園からの付き合いだっけ。
『寝坊しないでよ? 遅刻魔』
「しませんってば!!」
『あはは、じゃあね』
そう言って電話を切った。