白黒先生-二重人格彼氏-
「だいぶ混乱しているようですね? いいですよ、一つずつ答えますよ」
そう言って男はにこっと笑った。
ていうか、なんであたしが質問ばっか抱えてんの分かってんの!?
もしかして、声に出してた!? …てことは無いな。
……見透かされてたの??
「君は今すぐ体育館の隣の広場に行ってください。大丈夫です、入学式はまだ始まってませんよ」
「えっ! あ…はい」
あたしの疑問への的確な返答に、あたしはどう答えたらいいのか分からず、とっさに返事をする。
「それとあと二つ…僕が何者かは……すぐ、分かりますよ」
男は自分の唇の前に人差し指を当てて言った。
いたずらっぽい口元が、少しあどけなさを感じさせる。