白黒先生-二重人格彼氏-
まぁ、悪く言えば『侵入』…だけど。
気にしない気にしない、新学期直前だし誰も居ないよね?
少しだけ不安を抱えながらも、好奇心旺盛なあたしは学校を隅々まで探検していく。
「んー…もうほとんど回った…よね。あと行ってないのは……」
一人で言葉を漏らしながら、辺りを見渡す。
そこであたしの目が輝いた。
「あ……屋上だっ!」
中学のときは立ち入り禁止だった屋上。
ここの高校は、確か屋上に行けたはず…。
いや、でも鍵が掛ってるかな。
施錠されているのを分かっていながら、物は試しの精神で、ずんずん階段を昇っていく。