白黒先生-二重人格彼氏-

「すみません、遅れましたっ」

息を切らせて集合場所に行くと、唯が仏頂面でこっちを見た。

「全くアンタは…やっぱり期待を裏切らないことしてくれるわね」

「えへへ~、どうも~」

「褒めてないんだけど!?」

唯のするどいツッコミを受けながら、出席番号順に並んでいる列に入る。

唯も同じ列にいるってことは、同じクラスか!
良かったぁ、知ってる人がいて。

「では新入生の皆さん、入場するので付いて来てくださーい」

とてもキレイな女の先生が、並んだ生徒たちに向かって言った。

「美人だねぇ~」

「だね」

隣に居た唯と小声で話しながら、赤いじゅうたんの上を歩いて入場していく。



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