白黒先生-二重人格彼氏-
「なんで分かったのっ!?」
「マジなの!? …あんた……とんでもないことされちゃったわね…見てみなさいよ、あのライバルの山」
唯は顔をしかめながら、いまだにキャーキャー叫んでいる女子の皆さんを指さす。
「ラ、ライバルっていうか…!?」
「ライバルなんじゃないの? あんた、神谷って人のこと好きなんでしょ??」
ドキッ。
心臓が少しだけ跳ねる音がした。
あたしは両手をヒラヒラを振りながら否定した。
「な、いくらなんでも…初対面でキスなんてする人を好きになったりしないよっ」
「ふぅん…でも、可能性はあると思うけどな。あの神谷って人、沙耶のタイプど真ん中だし……顔はね」
確かに、あんな出来事さえなければ…。
普通に出会ってれば、一目ぼれしてたかもしれない。
けど、驚きの方が多かったっていうか…。
とにかく、好きなんかじゃないけど、キスの理由くらいは…聞いておきたい。